PHILOSOPHY

手術へのこだわり

これまで多くの手術に携わらせていただいてきましたが、これからも一例一例に真摯に向き合い続けたいと考えています。その中で、私自身が一貫して大切にしていることがあります。それは、常に安定して自分のベストパフォーマンスを出し続けることです。

OUR CRAFT

傷あとまで含めて
「結果」と考える。

形が整っていても、傷あとが目立てば、その結果は十分とは言えません。切開・操作・縫合、すべての工程に一貫して丁寧に向き合っています。

手術で使用するメスなどの器具
01

基本手技をいかに繊細に

ベストパフォーマンスを「再現する」という考え方

手術において本当に重要なのは、「一度うまくいくこと」ではなく、どの症例においても安定して良い結果を出し続けることだと考えています。そのためには、技術だけでなく、手術を取り巻くあらゆる要素を整える必要があります。

例えば、手術を行う場所が変わるだけでも、使用する器械のわずかな違い、手術室の環境、助手との連携の取りやすさといった細かな要素が積み重なり、最終的には仕上がりに差を生む可能性があります。一つひとつは小さな違いでも、それらが重なれば確実に結果に影響します。だからこそ、私は「環境に左右されない手術」を意識しています。

02

道具へのこだわり

その中でも特に重要だと考えているのが、使用する道具へのこだわりです。手術で使用する器具は、メーカーが違えば同等品とされているものであっても、実際に使用した際の感触や結果には差が生まれることがあります。だからこそ、メスに限らずあらゆる器具について、特定のメーカー・形状のものを選び、必ずそれを使用しています。手術を行う場所がどこであっても、必要であれば自ら持参します。

例えばメスは一見するとどれも同じように見えますが、刃先のわずかな形状の違い、表面コーティング、研磨の仕上げ方といった要素によって、実際に使用した際の感触や切れ味は微妙に異なります。その違いによって、どの角度で、どの程度の力をかけて、どのように組織へアプローチするかが変わってきます。この「わずかな違い」を積み重ねることが、結果としてより精度の高い手術へとつながっていきます。

03

切開の美しさが結果を左右する

手術は皮膚切開から始まります。そしてその最初の一手が、その後のすべてに影響します。美しく整った切開は、組織へのダメージを最小限に抑え、縫合の精度を高め、最終的な傷あとをより目立ちにくくすることにつながります。

逆に、わずかな乱れがある切開は、その後どれだけ丁寧に縫合しても、完全に取り戻すことはできません。だからこそ、切開という基本的な操作を最も重要なものの一つとして捉えています。

04

縫合へのこだわり

もちろん、仕上がりを左右するのは切開だけではありません。縫合もまた、非常に重要な工程です。

私は、症例に応じて最適な縫合材料を選択しています。その一つが、矢島理事長とともに考案した、より安定した皮下縫合によって綺麗な結果をもたらすことに特化した当院監修のコンパウンドニードル®です。皮下縫合における針や糸の役割について、これまで熟考を重ねてまいりました。

縫合において重要なのは、組織の厚みや状態に応じた適切な運針、不必要なテンションをかけないこと、長期的な瘢痕の状態を見据えた設計です。

単に閉じるだけではなく、どのように治っていくかまで見据えた操作を行うことが重要だと考えています。縫合技術は、職人技でありどこまでも深淵かつゴールがない底なしの世界だからこそ、少しでも良い縫合が成立するために必要な要素を考え続けています。

05

傷あとまで含めて「結果」と考える

どのような手術であっても、最終的に患者様が感じる満足度には、「傷あと」の印象が大きく関わります。形が整っていても、傷あとが目立てば、その結果は十分とは言えません。

だからこそ私は、切開・操作・縫合、すべての工程において一貫して丁寧に行うことで、より自然で、美しく、長期的にも満足いただける結果を目指しています。

06

美しさは、物理と幾何学に帰着する

レオナルド・ダ・ヴィンチによる頭部の比例の素描
Leonardo da Vinci, c.1490(パブリックドメイン)

レオナルド・ダ・ヴィンチは、画家である前に、解剖学者であり幾何学者でした。顔の表面のかたちは、その下にある骨格・筋肉・軟骨の力学の上に成り立っています。感覚や流行だけに頼らず、構造から美しさを考えることが、形成外科の原点だと考えています。

目・鼻・輪郭は、三次元の連立方程式

目・鼻・輪郭は、それぞれ独立したパーツではなく、互いに影響し合う一つの立体です。目の横幅・目頭の間隔・小鼻の幅は、およそ1:1:1が目安とされます。鼻の長さと高さは中顔面の印象を決め、頬から顎へ流れるS字の曲線(オジーカーブ)が、その立体感を受け止めます。

ひとつのパーツを動かせば、まわりのバランスも変わります。だからこそ私は、顔全体を一つの立体として捉えて、手術を考えています。

最後の「0.5ミリ」

けれど、比率や数式だけで人は描けません。皮膚の厚み、骨格のわずかな左右差、笑ったときの表情の動き、その人がまとう空気。生きた顔には、数値にできない一人ひとりの魅力があります。

比率や数式を知っているからこそ、その人らしさが生きるように、あえて計算を微調整することができる。教科書どおりの正解ではなく、その人本来のバランスへ。その最後の0.5ミリの判断にこそ、形成外科医としての審美眼が問われると考えています。

07

手術をご検討の方へ

手術の結果は、技術だけでなく、こうした細かな積み重ねによって大きく左右されます。札幌はもちろん、北海道内、そして日本各地から当院での形成外科手術・美容外科手術をご検討いただく方に対しても、一例一例に対して同じ水準での手術を提供できるよう、環境・道具・手技のすべてにおいて妥協なく取り組んでいます。

小さなこだわりの積み重ねが、最終的な仕上がりの差につながると考えています。その違いを、実際の結果として感じていただければと思います。

08

ゴールなきこだわりの道

どこまでも自分にストイックであること

私が大切にしているもう一つの考え方は、どこまでも自分に対してストイックであり続けることです。

実は私は、自分が行った手術を「好きだ」と思うことはほとんどありません。たとえ周囲から見て極めて良い結果であったとしても、そこに満足することはないからです。

手術において「完璧」というものは存在しません。むしろ、自分の治療を完璧だと言い切るのであれば、その時点で成長は止まってしまうのではないかと考えています。

どのような結果であっても、「もう少しこうできたのではないか」「あと0.5mmこうであればより良かったのではないか」といった細かな点が必ず見えてきます。

仮に99点の仕上がりであったとしても、私にとって気になるのは残りの1点です。しかし、その「満たされなさ」こそが、次の一例をより良くするための原動力であるとも感じています。

だからこそ私は、その感覚を大切にしながら、常に100点に限りなく近づけることを目標に、日々の診療に向き合っています。

その結果として、私の手術は、基本となる考え方は変わらないものの、まったく同じ方法を繰り返すことはほとんどありません。一例ごとに見直し、わずかな改善を積み重ねていく。その繰り返しの中で、手術の精度は少しずつ高まっていくと考えています。

これからも、メスを置くその日まで、現状に満足することなく、変わり続けていきたいと思っています。

FAQ

よくある質問

Q.傷跡はどのくらい目立ちにくくなりますか?›

A. 傷あとは手術の結果そのものの一部と考えており、切開の精度と縫合の丁寧さが仕上がりを大きく左右します。効果・経過には個人差があります。

Q.「コンパウンドニードル®」とはどのようなものですか?›

A. 矢島理事長とともに考案した、当院監修の縫合用の針糸です。より安定した皮下縫合による綺麗な結果を目指して考案され、学会等でも発表しています。

Q.手術で使う器具にこだわりがあるのはなぜですか?›

A. メーカーが違えば同等品とされる器具であっても、実際の結果には差が出ることがあります。そのためメスに限らずあらゆる器具について、特定のメーカー・形状のものを、環境に左右されず使用するようにしています。