02 / CONTOUR ― JAW DEFORMITY

顎変形症の治療

上下の顎の骨の大きさや位置のずれによって、咬み合わせに問題が生じている状態を「顎変形症」といいます。受け口(しゃくれ)や出っ歯、顎の左右のずれなどは、見た目の印象だけでなく、噛む・話すといった毎日の機能にも関わります。

当院では、顎変形症の手術を執刀してきた院長が、上下の顎の骨を適切な位置に動かす手術を行います。国の指定を受けた矯正歯科と連携しており、顎変形症と診断された場合は、手術も術前・術後の矯正治療も保険診療の対象となります。

麻酔
全身麻酔
手術時間
4時間
顎変形症の治療のイメージ。顔の正面と横顔の素描
MESSAGE

咬み合わせを整えるだけでなく、顔立ちのバランスまで。

顎変形症の手術は、咬み合わせを整えるための保険診療です。ただ、上下の顎の位置は、横顔のラインや顔の中心線、口元の印象など、顔全体の輪郭を大きく左右します。

私は形成外科医として、また美容外科の手術にも携わる医師として、咬み合わせと同時に、輪郭のバランスや自然な美しさをどう実現するかを考えて、骨を動かす量と方向を計画しています。

保険診療か自由診療かによって、治療に向き合う姿勢を変えることはありません。保険診療でできる範囲の中でも妥協せず、より良い仕上がりをめざして手術を行います。

そのうえで、Vライン形成術など保険診療では行えない施術が望ましいと考えられる場合には、時期を分けて行うことを前提に、その理由と費用を事前にきちんとご説明します。

蘇春堂形成外科 院長

三浦 隆洋

Takahiro Miura(院長の署名)
保険INSURANCE

保険診療について

顎変形症と診断され、手術による治療が必要な場合は、手術・入院とも保険診療の対象となります。術前・術後の矯正治療も、国の指定を受けた矯正歯科(顎口腔機能診断施設)で行う場合は保険診療となります。当院と連携している矯正歯科は、いずれもこの国の指定を受けています。

医療費が高額になった場合は、高額療養費制度により、自己負担額に上限が設けられます。

見た目の印象を整えることが目的の輪郭の手術(オトガイ形成術・Vライン形成術・エラ削りなど)は、自由診療です。

BEFORE ORTHODONTICS

歯の矯正を始める前に、一度ご相談ください

咬み合わせのずれには、歯の傾きや並びによるものと、上下の顎の骨の大きさや位置のずれ(骨格のずれ)によるものがあります。

歯の矯正は、歯を動かす治療です。顎の骨の大きさや位置そのものは変わらないため、骨格のずれがある場合に歯の矯正だけで咬み合わせを整えると、咬み合わせは合っても、顎のゆがみや横顔のバランスといった骨格のずれは、そのまま残ります。骨格のずれがある場合は、顎の骨を正しい位置に動かす手術(外科的矯正)と矯正治療を組み合わせることで、咬み合わせと顔の輪郭の両方を整えることができます。

「顎がゆがんでいる」「受け口が気になる」と感じたら、矯正治療を始める前に、一度骨格の状態を確認させてください。どのような治療の組み合わせが適しているかをご提案します。骨格による咬み合わせの問題(顎変形症)と診断された場合は、保険診療で治療を行うことができます。

SECOND OPINION

矯正治療中の方も、ご相談いただけます

すでに矯正歯科で治療を受けていて、手術について別の医師の意見を聞きたい方のご相談(セカンドオピニオン)もお受けしています。咬み合わせと顔全体の輪郭の両方から、手術の方法や骨を動かす量についてご説明します。

ご相談の際は、現在の主治医の先生にもお伝えいただくと、治療の計画を共有しながら進めることができます。これまでのレントゲンやCTなどの資料があれば、お持ちください。

INDICATIONS

こんなお悩みはありませんか

受け口で、下の前歯が上の前歯より前に出ている
出っ歯や、下顎が小さく後ろに下がっている
顎が左右にずれて、顔がゆがんで見える
奥歯で噛んでも、前歯が閉じない
噛みにくい、発音しにくい
唇顎口蓋裂の治療後、上顎が引っ込んで見える
TYPES

主な顎変形症のタイプ

見出しを選ぶと、内容が開きます。

01

下顎前突

下顎が上顎より前に出ている状態です。下の前歯が上の前歯より前で咬み合い、横顔では顎先が前に出て見えます。

横顔

横から見た骨格

歯並び(正面)

整った状態

整った状態整った状態の横顔
整った状態整った状態の骨格
整った状態整った状態の歯並び

下顎前突

下顎前突下顎前突の横顔
下顎前突下顎前突の骨格
下顎前突下顎前突の歯並び

骨格の図の青は上あご(上顎)、ベージュは下あご(下顎)です。説明のためのイメージ図で、程度には個人差があります。

整った状態下顎前突(受け口)下顎後退(あごが小さい)
整った状態・下顎前突(受け口)・下顎後退(あごが小さい)の横顔の比較図
受け口(下顎前突)と、あごが小さく後ろにある状態(下顎後退)は、横顔の見え方が反対になります。どちらも、骨格の位置を整えることで、咬み合わせと横顔のバランスを改善できる場合があります。
OUR APPROACH

当院の顎変形症治療の特徴

顔の骨の手術の経験

院長 三浦隆洋は、北海道大学病院形成外科で頭蓋顎顔面外科のチーフとして、顎変形症をはじめとする顔の骨の手術を執刀してきました。その経験をもとに、CTなどで骨格を診断し、手術の計画を立てます。

咬み合わせと、顔全体の輪郭の両方を見る

顎変形症の手術の目的は、咬み合わせを整えることです。同時に、上下の顎の位置は顔の輪郭の印象を大きく左右します。咬み合わせだけでなく、正面・横顔のバランスも見ながら、骨を動かす量と方向を決めます。必要に応じて、オトガイ形成を組み合わせます。

矯正歯科との連携

手術の前後には、矯正歯科での矯正治療が必要です。矯正歯科と治療の計画を共有しながら、手術の時期や方法を決めます。矯正歯科が決まっていない方には、当院と連携している、国の指定を受けた矯正歯科をご紹介できます。当院は複数の矯正歯科と連携しています。これまで当院と連携のない矯正歯科に通院中の方も、ご相談いただければ、できる限り対応いたします。すでに矯正治療中の方のご相談(セカンドオピニオン)もお受けしています。

TREATMENT

手術の方法

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01

上下顎を同時に動かす手術

上顎は、上顎の骨を切って前後・上下の位置を整える手術(ル・フォーI型骨切り術)、下顎は、下顎の骨を分割して前後・左右の位置を整える手術(下顎枝矢状分割術)を組み合わせ、上下の顎を正しい咬み合わせの位置に動かします。

上下の顎を同時に動かすことで、咬み合わせだけでなく、顔の中心線や口元、横顔のラインなど、顔全体のバランスまで含めて、顎の位置を計画することができます。当院では、骨格の状態に応じて、上下顎を同時に動かす方法を中心にご提案しています。

口元の出方、横顔のライン、笑ったときの表情、フェイスラインのすっきり感は、骨と軟部組織(皮膚・筋肉・脂肪)の両方のバランスで決まります。土台となる骨格そのものを整えられるのは骨切り手術だけです。「どこまで動かすと自然か」「どこがその方らしさか」を考えながら、骨の位置を設計し、その上で軟部組織が自然になじむように仕上げます。

いずれの方法も切開は口の中から行い、骨はプレートで固定します。顔の表面に傷はできません。

FLOW

治療の流れ

01診察・診断

咬み合わせ、顔の輪郭、CT・レントゲンなどで状態を確認し、顎変形症かどうかを診断します。

02術前矯正(矯正歯科)

手術で顎を動かしたときに正しく咬み合うよう、歯並びを整えます。期間は最低6か月以上、一般的に1〜2年程度です。

03手術(当院)

全身麻酔で、上下の顎の骨切り術などを行います。入院は1週間前後です。

04術後矯正(矯正歯科)

咬み合わせを細かく仕上げます。期間は一般的に半年〜1年程度です。

05経過観察

咬み合わせと骨の状態を定期的に確認します。骨を固定したプレートは、ご希望に応じて、骨がついたあとに取り出す手術を行うこともできます。

OVERVIEW

手術について

DAY OF SURGERY手術の日

麻酔全身麻酔
手術時間4時間

RECOVERY回復の目安

  1. 2〜3週間
    • 腫れ・食事大きな腫れは2〜3週間ほどで引いていきます
    • お仕事2週間ほどが目安です
  2. 1か月
    • 固定術後1〜3か月ほど
くわしく見る(すべての項目)閉じる
麻酔
全身麻酔
入院
1週間前後
手術
上下顎を同時に動かす手術、または下顎だけの手術(必要に応じてオトガイ形成を併用)
手術時間
上下顎を同時に動かす手術で4時間前後、下顎だけの手術で2〜3時間程度。唇顎口蓋裂など生まれつきの病気に伴う場合は5〜6時間程度(内容により異なります)
傷
口の中(顔の表面に傷はできません)
対象
顎の骨の成長が終わった、18歳以上の方
固定
咬み合わせを安定させるため、術後1〜3か月ほど、上下の歯にゴムをかけて固定します(期間はゆがみの程度などにより異なります)
腫れ・食事
腫れは強めに出て、大きな腫れは2〜3週間ほどで引いていきます。しばらくは柔らかい食事になります
お仕事
腫れがまだ目立っていても差し支えなければ、2週間ほどが目安です

主なリスク・副作用

腫れ、内出血、出血、感染、下唇や顎先のしびれ(多くは時間とともに回復しますが、残ることもあります)、咬み合わせの後戻り、左右差、鼻の形の変化(上顎の手術)などがあります。

効果・仕上がりには個人差があり、ダウンタイムやリスク・副作用については、施術前に医師より十分にご説明いたします。

AFTER CARE

手術後も、責任を持って向き合います

執刀した院長が、その後の経過にも最後まで責任を持ちます。矯正歯科と連携しながら、咬み合わせが安定するまで経過を診察し、気になることがあれば、原因を確かめたうえでどのような対応がよいかを一緒に考えます。

PRICE

費用について

  • 顎変形症の手術(上下顎の骨切り術など)

    保険保険診療

    自己負担額は保険の割合により異なります

医療費が高額になった場合は、高額療養費制度により、自己負担額に上限が設けられます。

見た目の印象を整えることが目的の輪郭の手術は、自由診療です(輪郭形成のページ)。

FAQ

よくある質問

Q.顎変形症かどうかは、どうやってわかりますか?›

A. 咬み合わせ、顔の輪郭、CT・レントゲンなどで診断します。受け口や出っ歯、顎のずれが気になる方は、まずは診察でご相談ください。

Q.歯の矯正だけで治すことはできませんか?›

A. 歯の傾きや並びによる咬み合わせのずれであれば、矯正治療だけで整えられることもあります。一方、上下の顎の骨の大きさや位置にずれがある場合、歯の矯正では骨の位置は変わらないため、咬み合わせは合っても、顎のゆがみなど骨格のずれはそのまま残ります。矯正治療を始める前に、一度骨格の状態を確認されることをおすすめします。

Q.すでに矯正治療を受けている、または受けたことがありますが、相談できますか?›

A. できます。現在矯正治療中で、手術について別の医師の意見を聞きたい方のご相談(セカンドオピニオン)もお受けしています。また、矯正治療を終えていても、骨格のずれが大きく、咬み合わせに問題がある場合は、保険診療で改めて外科的矯正(顎の骨切り術)を検討します。保険の対象とならない場合でも、見た目のゆがみについては、自由診療となりますが、オトガイ形成術やVライン形成術で整えることができます。まずは現在の咬み合わせと骨格の状態を診察し、適した方法をご説明します。

Q.矯正歯科に通っていなくても相談できますか?›

A. できます。診察で状態を確認し、治療の流れをご説明します。矯正歯科が決まっていない方には、当院と連携している、国の指定を受けた矯正歯科をご紹介できます。

Q.手術だけで治療できますか?›

A. 顎変形症の治療では、手術の前後に矯正歯科での矯正治療を行うのが一般的です。手術で顎の位置を整え、矯正治療で咬み合わせを仕上げます。術前の矯正治療には、最低6か月以上かかります。

Q.何歳から手術できますか?›

A. 顎の骨の成長が終わってから手術を行うため、18歳以上の方が対象です。それより前の方も、将来の治療の見通しについてご相談いただけます。

Q.手術のあと、口は開けられますか?›

A. 咬み合わせを安定させるため、術後1〜3か月ほど、上下の歯にゴムをかけて固定します(期間はゆがみの程度などにより異なります)。その間は柔らかい食事が中心になります。詳しくは、診察でご説明します。

Q.骨を固定したプレートは、取り出せますか?›

A. はい、可能です。骨がついたあと、ご希望に応じてプレートを取り出す手術を行います。時期や方法は、経過を見ながらご相談します。

Q.顔に傷は残りますか?›

A. 上下の顎の骨切り術は口の中から行うため、顔の表面に傷はできません。

Q.見た目を整えるだけの手術も保険になりますか?›

A. 保険診療の対象は、咬み合わせに問題があり、顎変形症と診断された場合です。見た目の印象を整えることが目的の輪郭の手術は、自由診療となります。

Q.唇顎口蓋裂の治療を受けてきましたが、相談できますか?›

A. できます。これまでの治療の経過を踏まえて、咬み合わせと顔の輪郭の状態を診察し、方法をご説明します。骨延長術が適している場合は、対応できる医療機関をご紹介します。